梅田團治郎

Danjiro Umeda / うめだ だんじろう

血気盛んな暗黒の貴紳毒蛾剣士

Profile

この物語の主人公。7年前(当時11歳)、ある経験がきっかけで去勢手術を受け孤高の剣士となった怪しい青年。去勢後の一人称は「私」、二人称は「貴方」。無線通信では〈毒蛾D〉というコードネームを名乗り、一般市民の間でもこの名で呼ばれている。肉親の存在を知らない「親知らず」を自称しているが、その正体は梅田の地下8000m地点にある異界〈血淵〉に咲いた一輪の黒蓮華から生まれた恐るべき能力を持つ人間〈鬼子〉の一人であり、自らの出自に関して他言を一切禁じられたことからの戒めである。

生きる糧を得る為、そして自分がどこから来た存在なのかを知る為に、今宵も梅田の摩天楼に独り舞う。

曽根崎通りの桜橋交差点付近にある自邸「穴蔵」は実はもともと名門バレエ学校「エコール・ド・シニュー」の旧校舎(高度経済成長の時代に建てられた)であり、長ドスと出所不明のお小遣いを持った團治郎がその地下スタジオに棲み着いたため学校は急きょ東京・新宿西口の某カメラ屋前に移転する羽目になってしまう(移転先に相応しいテナントがここしかなかったらしい)。なお、この部屋はたまに徹のために開放しているが、実際には一度も彼本人が現れたことはなく、結果的にぼっち。

学者やマスコミが人間であることを頑なに否定するほどの驚異的な知能(IQ802)を持つ。

武器は月のエネルギーの自然憑依によって様々な能力を使える長ドス「北乃鬼真宗」。背中の巨大な赤いマフラー(本人いわく“毒蛾の羽”)で縦横無尽に自在に空を飛べる。また、傍らに浮かんでいるトランジスタ仕掛けの陰陽玉「翌檜」は腕輪の人工知能「LILAS(リラ)」から指示を送ると敵に向けて妨害電波を発射する。