幸野正義

Masayoshi Kouno / こうの まさよし

髑髏(しゃれこうべ)。

数多の地雷の如く 少年を捨て去る男(「少年地雷」より)

1958年、兵庫県神戸市生まれの作曲家。その肩書きで度々イジられている。大阪・梅田に別居している作家の幸野暁は弟。彼の面倒を見るため長いあいだ大阪に在住していたが、ノストラダムスの大予言が外れたタイミングで帰神した。

1975年、 NUFF(ピアノ)、石川直登(シンセサイザー)、原和樹(ベース)、杉原雄(ドラムス、打楽器)と共にバンド(?)を結成しEP『パーフェクト・ロリータ』でデビュー。本人によると生家は橘通りにあったそうだが、その生い立ちは一切の謎に包まれている。作家の鬼火と親交が深く、彼と共同作詞した曲もある。

ゲイの友人、知人が多い。

その作風は世界でも似たようなものがないほどの特異さに満ちており、クラシック音楽を基盤に多彩な表情を見せる電子音、民族音楽のリズム、変形する電波音や超音波、鋼鉄をしばきまくる雑音が交じり合う実験音楽に乗せて華麗に舞いながら、己の感性で解釈した自然界の言葉、死生観や瞑想の中の世界、世界のリサイクル、思春期の精神崩壊、人生の無意味さなどを綴った歌詞をただ淡々と歌うという独特すぎるスタイルから、公称ジャンルを「怪人」とする。

根本的な音楽性は印象派を発展させた現代音楽に歌謡曲の要素を取り込んだものだが、物理的・数学的なアプローチから作曲することがほとんどで、人間の生理学にのっとった視覚芸術も手がける。

コンサート(本人は“ミサ”と呼ぶ)で器楽曲を演奏する場合、幸野はバトントワリングとモダン・ダンスに好んで履くハイヒールを活かした振り付け(ヒール・ダンス)を融合した独特のダンスをひたすら踊るが、歌詞のある曲の場合は、村井友治の父親に「気持ち悪い」と言われた独特の地声を活かし朴訥とした歌声で歌う。

余談だが、家族全員が恐怖に慄くほどの映画狂でもある。

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